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 漱石が生まれ育ち、その生涯を閉じたまち新宿区には、漱石ゆかりの地が数多くあります。漱石が生まれた現在の新宿区喜久井町という町名は、当時このあたりの名主であった漱石の父・直克が、夏目家の家紋「井桁(いげた)に菊」にちなんで名付けたものです。また同じように、漱石の生家前にある坂を「夏目坂」と名付けたエピソードも残っています。さらに、漱石が亡くなるまでの約9年間を過した「漱石山房」と呼ばれた早稲田南町の家の書斎からは、数々の名作が生み出されました。

漱石誕生の地
漱石終焉の地

 漱石の小説や随筆には新宿の町の名前が数多く使われており、現在も区内に残るお寺や神社の名も作品の中に登場しています。一方で漱石の日記や手紙には、漱石が神楽坂に買物に出かけたり、神田川に花見に行ったりしたことが記されており、新宿が日常を過した町でもあったことがわかります。新宿は漱石にとって生まれ故郷であり、作品を生み出した場であり、日常生活の場であり、そして人生の最期を迎えた場所だったのです。

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