現在開催中の特別展「漱石追慕のかたち―漱石、筆子、そして松岡譲」(11月25日まで)で展示中の資料をご紹介します。
夏目漱石《ダリア図》
今回の特別展チラシの表紙を飾っている夏目漱石が描いた《ダリア図》。
13.8×9.9㎝の小さな絵で、額に入っています。
この絵について、漱石の長女・筆子がエピソードを書き残しています。(「父漱石」(漱石全集月報第18号 昭和4年8月 第18回配本付録)『漱石全集月報 昭和3年版 昭和10年版』(岩波書店)所収)
筆子が小学校5~6年生の頃(明治43~44年頃)、子ども部屋で絵を描いている筆子に、「下手だなひとつ描いてやらうか」と描いてくれたのが、ダリアの絵だそうです。
このことを書いた筆子の執筆メモも今回展示しています。
漱石が娘のために描いた絵と、娘から見た漱石の思い出を記したメモが同じ会場で展示されています。是非ご覧下さい。
※松岡筆子「父漱石」は地下1階図書室でお読みいただけます(『漱石全集月報 昭和3年版 昭和10年版』)。