2月9日より漱石山房記念館ミュージアムショップでは新商品の販売を開始しました。
今回、販売を開始したのは「漱石のことば鉛筆」(2本組200円)と3種類の「絵はがき」(各60円)です。
「漱石のことば鉛筆」は夏目漱石の作品から引用したことばが印刷された鉛筆で、
あずき色と深緑色の2種類の鉛筆(HB)がセットになっています。
あずき色の鉛筆には、夏目漱石『吾輩は猫である』の冒頭部分、
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」が、
深緑色の鉛筆には、夏目漱石『草枕』より
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」
が印刷されています。
珍しい五角形の鉛筆は別名「合格(五角)鉛筆」とも呼ばれているようですよ。
3種類の絵はがきは、新宿区所蔵の資料から作成しました。
1種類目は明治38(1905)年に発行された『吾輩は猫である』初版本上編の表紙を絵はがきにしたものです。
漱石作品の挿絵や装丁、漱石山房の原稿用紙、インク壺のデザインも手がけた橋口五葉が装丁した表紙です。
猫好きの方へのお土産にいかがでしょうか?
夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』絵はがき
2種類目は大正3(1914)年8月12日付けの『東京朝日新聞』に発表された、
「ケーベル先生の告別」原稿の冒頭部分を絵はがきにしたものです。
「ケーベル先生の告別」は帝国大学大学院時代に美学の講義を受け、
漱石の思想にも大きな影響を及ぼした哲学者ケーベルが帰国することになった際、
漱石に託された教え子たちへの告別の辞を、漱石自身の回顧録も交えて書かれた作品です。
自筆文字から漱石の息づかいが感じられるような絵はがきになりました。
夏目漱石「ケーベル先生の告別」原稿 絵はがき
3種類目は肉筆漫画『開国六十年史図絵』より、
漫画家の岡本一平が描いた「夏目漱石先生」を絵はがきにしたものです。
肉筆漫画『開国六十年史図絵』は昭和2(1927)年に明治60年を記念し、
日本漫画会の会員25名が60年間の政治・社会史から50のテーマを選び、
1人2図ずつ描いた肉筆画をセットにして販売したものです。
岡本一平の妻は歌人で小説家の岡本かの子、息子は芸術家の岡本太郎。
夏目漱石の表情や隣に座る猫がユーモラスな一枚です。
岡本一平「夏目漱石先生」絵はがき
今回発売した商品は、漱石山房記念館のみでの販売となりますので、ご来館の記念にぜひお求めください。
テーマ:お知らせ 2019年2月10日