その他 一覧
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漱石山房の大掃除
師走を迎え、なにかと気忙しい日々ですが、
先日、展示替えのための休館日を利用して、
再現展示室の大掃除をしました。
再現展示室は、漱石が執筆していた当時の書斎を再現しています。
普段は職員でもなかなか入ることのない空間ですが、
埃を払うために、慎重に入っていきます。展示品を傷つけることのないよう、丁寧に作業を進めます。

漱石先生も少し心配そうに見守ってくださっています。

漱石山房記念館は12月29日(月)から1月3日(土)まで休館いたします。
新年は1月4日(日)から開館いたします。
1月4日(日)から9日(金)は(※5日(月)の休館日は除く)
「新年来館者プレゼント」として、
展示室(有料)をご覧いただくと、お一人につき1回カプセルトイを回していただけます。
カプセルの中には、当館オリジナル缶バッジ(全9色)がランダムで入っています。
新春の漱石山房記念館にぜひ足をお運びください。
(中山)テーマ:その他 2025年12月23日 -
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展示会の会場準備
漱石山房記念館では、毎年度4回の展示会を実施しています。
展示会を行うにあたっては、主担当となる学芸員が展示内容を計画し、
調査・研究を重ねながら準備を進めていきます。
そのほか、チラシやポスターの制作、資料の借用、搬送手続きなど、やるべきことは多岐にわたります。
そして最終的には、展示室に資料やパネルを並べ、展示会をスタートさせます。
展示準備は、まず既に展示されている資料を片付け、パネルなどを剥がし、
展示ケースをすべて空にするところから始まります。
壁面に備え付けられた展示ケースは、脚立に上って上部と下部の鍵を解除する必要があり、
開閉には2人以上が必要です。
続いて、大きなパネルから順に展示ケースに立て掛けて位置の目安を付けます。


配置が決まったら、レーザーの墨出しを使って高さを調整し、釘で固定していきます。
釘の打ち方にもそれぞれこだわりがあり、パネルの端に対して真っすぐ打つ人もいれば、
釘が目立たないよう斜めに打つ人もいます。私は後者の方法で打っています。
展示をご覧になる際は、パネルの釘にもぜひ注目してみてください。
ただし、最も大切なのはパネルや資料の配置による「見やすさ」です。
互いに意見を交わしながら、注意深く作業を進めていきます。
大きな展示ケースには、資料を見やすくするために斜台を入れます。
文字通り斜めになっている台のため、しゃがんだり立ったりと足腰を使う作業になります。
そして、最後に照明の調整を行います。展示資料の保護のため、強い光は禁物です。
特に万年筆のインクなどは光に弱く、色が飛んでしまうため光量の調節が重要です。
また、パネルが読みやすいよう、来館者の影が展示ケースに極力入らないように考えながら設定します。
学芸員の仕事といえば、机に向かって黙々と調べごとをしているイメージが強いかもしれませんが、
実際には体を使う力仕事も少なくありません。
博物館や文学館などを訪れる際は、展示資料だけでなく、どんなケースや台が使われ、
どのような展示が行われているのかにもぜひご注目ください。
各館の学芸員のこだわりが見えてくるはずです。
(学芸員 嘉山澄)テーマ:その他 2025年11月14日 -
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中学生の職場体験 商品POP作りに挑戦!
漱石山房記念館では新宿区内の中学校の
職場体験学習を受け入れています。
施設見学から始まり、実際に職員が日々行っている庶務業務のお手伝い、
図書室の整理や夏目漱石の本を紹介するPOPの作成など、
さまざまな仕事を体験してもらっています。今回は、9月初旬に職場体験を実施した中学生4人による、
ミュージアムショップの商品POPをご紹介したいと思います。
中学生の皆さんには、漱石山房で販売している約70種類のオリジナルグッズの中から
自分がPOPを作りたいと思う商品を選ぶところから始めてもらいました。
選ばれたのは、
・オリジナル鉛筆3本セット
・ブックカバー『吾輩は猫である』
・漱石山房שYura Kouhi イラストアクリルキーホルダー
・オリジナルマスキングテープ
の4種類でした。
(奇しくも、どれも今年度から新発売の商品ばかり……!
ミュージアムグッズ担当もほくそ笑んでおります)▼実際のPOP掲示の様子




作ったPOPをそれぞれミュージアムショップに設置してもらった後は、
「ミュージアムグッズの企画書を書こう!」というワークにも挑戦してもらいました。
どういう商品が魅力的だと感じるのか、自分が感じている魅力を他の人に伝えるにはどうしたら良いか……。
商品POP作成に取り組んだ後だからこそ、
より多角的な視野で企画書を書くことができたかと思います。
私たち職員一同も、生徒たちに書いてもらった商品POPや企画書を回覧し、
その仕上がりのクオリティや着想の斬新さに感嘆しています。皆さまも漱石山房記念館へご来館の折には是非ミュージアムショップにお立ち寄りいただき、
中学生が作成した商品POPをご覧になってください。
思わず手に取ってみたくなること間違いなしです!テーマ:その他 2025年09月25日 -
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漱石作品販売冊数ランキング~漱石山房記念館ミュージアムショップ調べ~
燃えるような暑い日が続いています。
連日の炎天下を逃れ、涼しい室内で漱石作品を手に取ってみよう…と
お考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。さて、漱石山房記念館のミュージアムショップでは、
当館オリジナルグッズだけでなく、漱石の著作の販売も行っています。
当館ミュージアムショップにおける、開館から現在までの
漱石作品の販売冊数ランキングを作成してみました。
夏目漱石を代表する『吾輩は猫である』が圧倒的なのか、
国語の教科書で馴染み深いの『こころ』か、はたまた『坊っちゃん』『三四郎』か……。
みなさんの予想はいかがでしょうか?
1~10位を発表します!

第1位は『硝子戸の中』でした!
表の中で青い印を付けている箇所は、
該当タイトルをピックアップした展示会を行っています。
「《通常展》テーマ展示 『硝子戸の中』と漱石のみた東京」が開催された令和5年度には、
展示をきっかけに『硝子戸の中』を購入されたお客様が特に多いことが分かります。
また、『吾輩は猫である』が563頁、『こころ』が300頁に対し、
『硝子戸の中』は138頁と、手に取りやすい厚さであることも理由の一つでしょうか。
(頁数参考:岩波文庫)現在開催中の「《通常展》テーマ展示 そうせきとどうぶつたち」が終了すると、
10月11日(土)より「《特別展》発表120年 『吾輩ハ猫デアル』」がはじまります。
もしかすると、今年度中に『吾輩は猫である』がトップに躍り出るかもしれません。
どうぞ、ご来館の折には当館のミュージアムショップにも立ち寄ってみてください。テーマ:その他 2025年08月13日 -
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梅雨に咲く花~紫陽花~
しとしとと降り注ぐ梅雨。
この時期、私たちの目を楽しませてくれるのが紫陽花(あじさい)です。
雨に濡れてなお鮮やかに咲くその姿は、梅雨の憂鬱さを忘れさせてくれます。
漱石山房記念館でもこの時期、たくさんの紫陽花が花を咲かせてくれます。

漱石公園に咲く紫陽花

紫陽花の魅力は何といってもその色の多様さ。
青や紫、ピンク、白など、土壌のpHによって花の色が変わるという性質を持ち、
まさに「自然が描くグラデーション」。
一株でも様々な色合いが見られるのが面白いところです。
紫陽花は日本原産のガクアジサイが母種となって改良された園芸品種で、
古くは奈良時代の『万葉集』にも登場します。
「言(こと)問はぬ 木すら味狭藍(あじさい) 諸弟(もろえ)らが
練(ねり)の村戸(むらと)に あざむかえけり」 大伴家持(おおとものやかもち)
現代語に訳すると「ものをいわない木でさえ、紫陽花のように移り変わりやすい。
(ことばをあやつる)諸弟(もろえ)たちの巧みな言葉に、わたしはすっかり騙されてしまった。」
ここでも移り変わりやすさの象徴として紫陽花が使われています。
その後、紫陽花が広く親しまれるようになったのは江戸時代以降のこと。
園芸文化の発展とともに多くの品種が生まれ、
浮世絵や俳句にも登場するようになりました。
その後、ヨーロッパに渡り、
品種改良を経てよりバラエティに富んだ「Hydrangea(ハイドランジア)」として世界に広まったと言われています。
色を変える紫陽花は、
「移り気」「無常」といった少し切ない花言葉も持ちますが、
一方、花期が比較的長く、一生懸命咲き続けているように見えることから
「辛抱強さ」という花言葉もあるそうです。
雨の音に包まれながら、紫陽花の静かな美しさに心を預ける。
そんな梅雨の楽しみ方も、悪くないものです。
参考文献:金田初代・金田洋一郎『四季別 花屋さんの花カラー図鑑』西東社、1995年
岩槻秀明『散歩の花図鑑』新星出版社、2012年テーマ:その他 2025年06月17日 -
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漱石公園のサクラが満開です!

長雨が上がり、朝のすがすがしい空気の中で満開の桜を見ていたら、
ボアンボアンと枝が一本だけ動いています。
近づいてよく見たら、
朝ごはんに夢中のヒヨドリがいました。

ヒヨドリは「果実」や「昆虫」に加えて、「花の蜜」も食べるそうです。
漱石の小説では「鵯」と漢字1字で書かれ、「門」や「明暗」に登場します。
「朝は崖上の家主の庭の方で、鵯が鋭い声を立てた。」(「門」六の一)
「すぐ崖の傍へ来て急に鳴きだしたらしい鵯も、
声が聴える丈で姿の見えないのが物足りなかつた。」(「明暗」百七十九)
現代の早稲田は崖や藪が開け、ヒヨドリを見つけることは容易ですが、
漱石が小説を書いていた100年前は、藪も多く、姿よりも声が印象的な鳥だったのでしょう。
桜はもう少し見られそうです。
ぜひお花見にいらしてください。
テーマ:その他 2025年04月04日 -
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漱石山房の植栽
漱石が暮らしていた当時の漱石山房には
多種多様な植物が見られたそうです。
サクラやヒノキ、アオギリなどの大木から季節の山野草、
敷地境の生垣や裏庭の花壇まで、漱石やその家族、
門下生の残した記録などから20種類以上の植物が確認できます。
大正5(1916)年6月9日の日記には
「鳳仙花(ほうせんか)・わすれな草・孔雀草(くじゃくそう)・小桜草(こざくらそう)・
われもこう・葉鶏頭(はげいとう)・菫(すみれ)・新菊(しんぎく)・おいらん草・
おしろい草・百合(ゆり)・カンナ・虎の尾・きりん草」とあり、
色や開花状況なども記されています。
なかでも玄関脇のバショウと前庭のトクサは、
漱石山房を象徴する植物で、現在の記念館にも植えられています。
この寒い時期はバショウもトクサも元気がありませんが、
きれいな花を咲かせている植栽もいくつか見られます。


もうすぐ漱石公園の大きなサクラの木が花を咲かせるでしょう。
寒い日々が続きますが、この時期ならではの漱石山房記念館へ足をお運びください。テーマ:その他 2025年03月05日 -
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中学生の職場体験学習
今年も新宿区内の中学生が
当館で職場体験学習を行いました。
プログラムの一つに、
図書室の本を紹介するポップ制作をお願いしているのですが、
このポップが、来館者の皆様に大変ご好評いただいております。

わたしたちスタッフも、毎年楽しみにしています。
今回は、作ってくださった学生さんと先生に了解を取り、
こちらに紹介させていただきます。




これを読んだらみなさんも、紹介された本を読んでみたくなりませんか?
地下1階の図書室は10時から18時まで無料でお入りいただけます。
ご来館の折には、ぜひ図書室のポップにも注目してみてください。テーマ:その他 2024年12月08日 -
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漱石山房の雪景色
寒さのなかにも春の訪れを感じられる頃となりました。
今年の冬は全国的に平年より気温が高い日が続くとの
長期予報が出されたようで、東京もおだやかなお天気が続いていました。そんな中、先日の大雪で、漱石山房にも珍しく雪が積もりました。
こちらは翌朝の漱石公園の様子です。
「猫の墓」の周囲にも雪が積もっています。

日あたりのよい漱石山房の雪は数日ですっかり消えてしまいましたが、
最後に、いまが見ごろに咲いている梅の花をご紹介します。

四季折々の表情がみられる漱石山房にぜひお出かけください。テーマ:その他 2024年02月26日 -
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中学生の職場体験学習
新宿区内の3校の中学生が
漱石山房記念館で3日間の職場体験学習を行いました。
受付でのお客様対応や図書整理、展覧会のポスターやチラシの発送作業といった
博物館運営に関する様々な業務を体験してもらうことが本プログラムの内容です。
その一環で、当館の図書室に設置する手書きポップの作成体験もありました。
地下1階にある図書室には、約4千冊の漱石関連本を収蔵しています。
その中から生徒さんが書籍を厳選し、ポップを制作してくれたので、
ご紹介します。

いづれも丁寧で温もりのあるポップに仕上がりました。
目を引く色使いや文章構成がとても素晴らしいです。
漱石にちなんで、可愛い猫のシールを貼る工夫をしてくれた生徒さんもいました。
区内の生徒さんが業務の一翼を担った体験学習は、
当館職員としても地域と連携する良い機会となりました。
生徒の皆さん、職場体験お疲れさまでした。
素敵なポップをありがとうございます。

ご来館の皆様、漱石山房記念館へお越しの際には、
若いコピーライターたちの感性溢れるポップを
是非ご覧になってください。テーマ:その他 2023年12月20日 -
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緑のカーテン
「緑のカーテン」という言葉を聞いたことはありますか。
建物の窓際でつる性の植物をカーテンのように育て、
日光を遮ったり和らげたりすることで室温の上昇を
抑えることができると言われています。
それが「緑のカーテン」です。
エアコンの使用を抑えることが出来るため、
節電・省エネ効果もあるといわれています。今年の夏はことのほか暑い日が続き、
ニュース等でも「観測史上最高」という言葉を何度も耳にしました。
そこで、漱石山房記念館でも初めて「緑のカーテン」に挑戦してみました。

陽当りのよい南側の大きなガラス面の外側にプランターを置き、
ゴーヤを植えました。
ゴーヤはぐんぐん成長し、今ではガラス面を超えて外壁の高さまで
届くほどに大きくなりました。

いくつも実をつけ、日々成長する様子を見るのは、
私たち職員の楽しみにもなっています。
目にも鮮やかなグリーンが涼しく感じられますが、
実際に植物の葉から水分が蒸散されることで
周囲の温度も下がっているそうです。
ご来館の際には、かわいらしい実をつけた
ゴーヤの緑のカーテンをご覧いただけるかもしれません。テーマ:その他 2023年09月25日 -
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新人ボランティアガイド、活躍中です
新宿歴史博物館では平成17(2005)年からボランティアによる活動を行っています。
博物館・記念館での展示解説や、史跡めぐりの案内など、
幅広い活動で来館者と博物館をつないでいます。
漱石山房記念館でも土日祝日は、漱石の書斎の再現展示室の解説を行うほか、
文学さんぽや朗読会、ニュースレターの校正などのボランティア活動を行っています。令和5(2023)年1月~2月にかけて、ボランティア養成講座が開講されました。
全6回の養成講座を経て、5月からは博物館・記念館でのガイド研修を行いました。
先輩ボランティアと一緒に、実際にお客様のガイドを行いながら、
解説の仕方やよくある質問などのご対応方法をOJTで学びました。
7月からは新人ボランティアもお客様のガイドを担当しています。
土日祝日にご来館の際は、ぜひボランティアガイドへお気軽にお声がけください。
漱石山房記念館1階の再現展示室でお待ちしております。
※団体でのご来館でガイドをご希望の場合は、あらかじめお電話にてお問合せください。テーマ:その他 2023年07月30日 -
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漱石公園の桜が咲き始めました
漱石山房記念館に隣接している漱石公園には、桜(ソメイヨシノ)の木が2本あります。
今年、令和5(2023)年は例年より10日も早く、3月14日(火)に東京の開花が観測されました。
3月21日(火)の春分の日現在、漱石公園の桜は3分咲き~5分咲き程度といったところです。
2023年3月21日撮影
2本のうち道草庵に向かって右側の桜のほうが、
日当たりの関係か、咲き加減が少し早く5分咲き程度。
2023年3月21日撮影
道草庵に向かって左側の桜の方はまだ3分咲き程度です。
3月下旬は雨模様の日が続くようですので、
雨が上がる頃には満開の桜が皆さまをお迎えすることでしょう。ちなみに、漱石山房記念館の入り口近くには、
漱石の作品「虞美人草」をイメージして、
2月末にシャーレーポピーを植えました。
こちらも可愛らしい花を咲かせていますので、
ご来館の際には探してみてください。テーマ:その他 2023年03月22日 -
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開館5周年記念《特別展》「夏目漱石と芥川龍之介」を終えて
開館5周年記念として開催した令和4年度の特別展「夏目漱石と芥川龍之介」が
11月27日をもって無事に終了しました。
新型コロナウイルスの蔓延以降、久々に連日多くのお客様にご来館いただきました。
また、特別展や開館5周年に関係したイベントも数多く開催でき、
慌ただしい中にも充実した日々が続きました。

「田端文士村記念館」とのスタンプラリーでは562人の方がコンプリートし、
記念品の和紙ステッカーをお渡ししました。
500人以上の方々が、漱石と芥川に縁のある2つの記念館を訪れて、
関連した展示などを見ていただけたというのは、とても嬉しいことです。
ちなみに、記念品の“和紙ステッカー”は『吾輩ハ猫デアル』初版本の表紙をデザインしたもので、
上中下巻3枚揃いセットで現在も当館ミュージアムショップで販売中です。

今回の展示会は、ご親族の皆様、芥川の関係資料を所蔵する施設や大学など、
多くの皆様のご協力により実現しました。
今回の特別展でもご指導をいただいた芥川龍之介研究の第一人者である関口安義都留文科大学名誉教授が
12月17日に心不全でお亡くなりになりました。
その数日前には当館にもお越しになり、元気なご様子だったので、突然の訃報に言葉を失いました。
都留文科大学の研究紀要に連載中だった内村鑑三の評伝は、
残念ながら未完となってしまいましたが、最後まで研究者としての人生を貫かれました。
これまで漱石山房記念館に多大なるお力添えをいただいた、
関口氏にあらためて感謝と哀悼の意を表します。

11月3日に行われた関口氏の特別展記念講演会「新しい芥川像の創造 芥川研究五十年」は、
1月下旬から3月末まで動画配信を予定しています。
関口氏の残した貴重な言葉の数々を、皆様にもお受け取りいただければと思っています。テーマ:その他 2023年01月16日 -
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マンガで知る漱石
『漱石山房記念館だより 第3号』で「漱石山房記念館訪問記」を描いていただいた、
漫画家・香日ゆらさんによる文豪コメディ『JK漱石』の第1巻が12月8日に刊行されました。
※『漱石山房記念館だより』のバックナンバーはこちらをクリック『JK漱石』は夏目漱石が記憶を持ったまま、100年後の現代日本に生まれ変わり、
女子高生として生活する……というストーリーのマンガです。
香日ゆら『JK漱石 1』(KADOKAWA)
香日ゆらさんは『先生と僕-夏目漱石を囲む人々-』(全4巻/KADOKAWA)や、
『漱石とはずがたり』(全2巻/KADOKAWA)、
『夏目漱石解体全書』(河出書房新社)など、
今までにも漱石に関する書籍を多数刊行されています。
今回の『JK漱石』はコメディ色の強い作品ではありますが、
漱石に関するさまざまな知識が豊富に織り込まれていて、
漱石の生涯についてご存知の方は、ちりばめられたオマージュを楽しめます。
漱石についてよく知らない方でも、元ネタについて丁寧に解説されていますので、
マンガを読みながら知識を深めることができるのではないでしょうか。この単行本第1巻に収録されている第2話の扉背景には、
漱石山房記念館の再現展示室を描いてくださいました。
漱石の書斎の細かい部分まで取材していらっしゃいますので、
ぜひ実際の再現展示室と見比べてみていただければと思います。『JK漱石』をはじめ、香日ゆらさんの著作は、
漱石山房記念館1階のブックカフェと、地下1階の図書室でお読みいただけます。
また、漱石山房記念館ミュージアムショップでは香日ゆらさんデザインの
「漱石作品湯呑」(税込み1,300円)も販売中です。
※こちらの商品は通信販売には対応しておりません。
香日ゆら「漱石作品湯呑」
テーマ:その他 2022年12月20日 -
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ボランティアレポート10 朗読会「芥川龍之介作品を読む」を終えて ~「泣きました…」のわけ~
漱石山房記念館では、ボランティアガイドが漱石の書斎の再現展示室の展示解説を行っています。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、しばらく休止していましたが、7月から活動を再開しています。
この吾輩ブログではボランティアガイドによるレポートをお届けしてまいります。開館5周年記念「夏目漱石と芥川龍之介」特別展にちなみ、11月12日(土)漱石山房記念館講座室で、
ふみのしおり(新宿歴史博物館ボランティアガイド朗読の会)による朗読会が開催されました。
会場はほぼ満席。メンバーが「漱石山房の秋」「鼻」「蜘蛛の糸」を、そして私は「蜜柑」を朗読しました。
閉会直後のことです。一人の若い女性が近寄って来て「「蜜柑」泣きました」と言われました。
私はこれまで「良かった」「感動しました」と言われることはありましたが「泣かれた」のは初めて。
舞い上がるような気持ちになりました。
少しおぼつかない日本語でしたので「学生さんですか?」と尋ねると
「先月、中国から来た留学生です」とのこと。
そして、「芥川龍之介は人気があり、中国語に翻訳された作品を子供のころから読んでいました」
と話してくださいました。
芥川龍之介の世界的な人気を改めて知ると同時に、
この日もこうして文化の交流がなされていたことを実感しました。彼女のことを思い出しながら帰りました。
『蜜柑』は奉公先に向かう少女が、走る汽車の窓から沿線で見送る3人の弟たちに、
懐から取り出した蜜柑を投げて労に報い、別れを告げる物語です。
私の朗読した「蜜柑」が、多少なりとも彼女を感動させたのは相違ありません。
直接、私に伝えて下さったことがその表れでしょう。朗読者冥利に尽きます。
しかしふと「泣いたのは彼女の体験が「蜜柑」の少女に重なったからではないのか」という、
もう一つの思いにあたりました。
ひと月前の中国での旅立ちの日、家を出る玄関で、故郷の駅で、あるいは空港のロビーで、
彼女もまた家族や友人に向かって手を振ったのではないでしょうか。
きっと不安も感謝もあったと思います。
そのシーンがよみがえり、「泣きました……」と言ってくださったのかもしれません。
母国を離れ、早稲田大学で日本文学を学び始めた彼女。
これからの日本での生活が、温かくそして心地良い日々であって欲しいと願わずにはいられませんでした。(漱石山房ボランティア:岩田理加子)
<ふみのしおり活動予定>
・令和5年2月4日(土)14時~「北新宿図書館朗読会 夢十夜をすべて」 新宿区立北新宿図書館
・令和5年2月9日(木)14時~「夏目漱石誕生記念 2月9日朗読会」 新宿区立漱石山房記念館
・令和5年3月4日(土)14時~「第11回ひなまつり朗読会 大人を休んで童心にかえりませんか」 同上
※イベントの詳細は後日、各施設のWebサイト等でお知らせします。テーマ:その他 2022年11月30日 -
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ミュージアムショップに新商品が仲間入りしました(後編)
漱石山房記念館のミュージアムショップでは、
展示図録や夏目漱石にまつわるミュージアムグッズ、漱石作品の書籍などを取り扱っています。特に当館のみで販売しているオリジナルグッズは、来館者の皆さまに喜んでいただけるような商品を、
少しずつ増やしていけるように力を入れて取り組んでいます。
こちらのブログの前編ではこの秋の新商品『吾輩ハ猫デアル』の絵はがきをご紹介しました。
後編では同じく『吾輩ハ猫デアル』の表紙をモチーフにした新商品、和紙ステッカーをご紹介します。『吾輩ハ猫デアル』の初版本の装丁について、夏目漱石はどのように考えていたのでしょうか?
明治38(1905)年8月9日に漱石が『吾輩ハ猫デアル』の装丁を手掛けた橋口五葉宛てに送った葉書には
「御依頼の表紙の義は矢張り玉子色のとりの子紙の厚きものに朱と金にて何か御工夫願度」とあります。
「御依頼の表紙」とは『吾輩ハ猫デアル』上編の表紙のことで、
橋口五葉はこの漱石の依頼のとおりに朱色と金色を用いた装丁で表紙を飾りました。
さらに明治39(1906)年11月11日の橋口五葉宛ての書簡で漱石は中編の表紙について
「今度の表紙の模様は上巻のより上出来と思ひます。あの左右にある朱字は無難に出来て古い雅味がある」
と書いています。どうやら上編に比べて中編のデザインの方がより漱石は気に入ったようです。
この表紙のデザインをステッカーにするにあたって、
当館ではやはり漱石がこだわった部分を再現できればと考えました。
そこで「とりのこ紙」をイメージした和紙素材のステッカー用シートに、
「朱」色と「金」の箔押しで上・中・下編の表紙のモチーフを印刷し、
それぞれ名刺ほどの大きさのステッカーが出来上がりました。
3枚セットで200円(税込み)のお手頃価格で好評販売中です。
さらに、11月27日(日)まで開催している「漱石×芥川スタンプラリー」では
田端文士村記念館と漱石山房記念館を巡ってスタンプを集めた方全員に、
この3種類の中からお好きな柄の和紙ステッカー1枚をプレゼントしています。
無料でご参加いただけるスタンプラリーですので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。※引用文の表記は岩波書店『定本漱石全集 第二十二巻』(2019年)に従いました。
テーマ:その他 2022年10月31日 -
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漱石山房記念館 壁面緑化について
漱石山房通りから漱石山房記念館を見ると、
向かって右手(東側)と左手(西側)に入り口があり、
そこから漱石公園へ入っていくことができます。
右手の入り口には漱石の銅像があり、大きな門扉もあるため、
非常に分かりやすく、皆さんこちらから出入りすることが多いのではないでしょうか。
しかし、左手からも漱石公園に入ることができます。
向かって左手の入り口側の漱石山房記念館外壁では、
つる植物を育てて壁面緑化を行っています。
一見すると全部同じように思ってしまうかもしれませんが、
実は2種類のつる植物が混じっています。
2つのうち、つるがやや細いのが「ハゴロモジャスミン」(写真左側)で、
太いのが「テイカカズラ」(写真右側)です。
つるが互いに絡んでいる箇所もありますが、
地面からたどっていただければ分かりやすいです。
ハゴロモジャスミンは、「白い花びらが羽衣のように見える」ということが由来です。
テイカカズラは、「定家葛」と書きますが、
「定家」というのは、百人一首の撰者として有名な、
あの藤原定家のことです。
藤原定家が、後白河天皇の娘である式子内親王に思いを寄せ、
内親王が亡くなった後もその墓に葛となって絡みついた……という言われから付いた名前とのことです。
どちらも小さな花をたくさん付けます。
高い壁が白い斑点で覆われた様子はなかなか壮観です。
しかし、日当たりのよい建物の上部付近が良く繁茂しており、
横を通っても人の目の高さでは意外と気づきにくいのです。
どちらも4~5月が開花時期です。漱石山房記念館を訪れた際は、
ぜひ漱石公園も見ていただき、お帰りの際に漱石の銅像とは逆側の出入口を通ったら、
空を見上げていただくと、素晴らしい景色がご覧いただけるかもしれません。
テーマ:その他 2022年07月21日 -
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漱石公園の桜が見頃を迎えました
漱石山房記念館に隣接している漱石公園には、桜(ソメイヨシノ)の木が2本あります。
今年、令和4(2022)年は3月27日(日)に東京の桜の満開宣言がありましたが、
漱石公園の桜も満開の見頃を迎えています。
令和4年3月29日(火)撮影

令和4年3月29日(火)撮影
今週末の4月2日(土)には漱石山房記念館で「レガスまつり2022」を開催します。
当日は展示室への入館がどなたでも無料になるほか、
記念品(絵はがき)の配布や、参加申込不要・無料の朗読会、
事前申込制・有料(1回2,000円)の製本ワークショップも開催予定です。・朗読会 漱石文学・その珠玉の小品世界と「漱石先生」の詳細はこちらをクリック
・製本ワークショップ 初めてでもできる!美しいブロックメモノートづくりの詳細はこちらをクリック製本ワークショップは13時~14時30分の回がすでに満席となりましたが、
15時30分~17時の回はまだ若干の空席があります。
開催直前となりましたので、お電話での受付も可能です。
参加ご希望の方は漱石山房記念館(03-3205-0209)へご連絡ください。「レガスまつり2022」は新宿歴史博物館や林芙美子記念館、コズミックスポーツセンターなど、
新宿区内のさまざまな文化施設で開催します。
他の施設のレガスまつりの詳細はこちらをクリック
お花見がてら、区内の文化施設を巡るお散歩はいかがでしょうか。テーマ:その他 2022年03月30日 -
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ボランティアレポート9 福田先生の教え
漱石山房記念館では、ボランティアガイドが漱石の書斎の再現展示室の展示解説を行っていましたが、
現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休止しています。
そこで、この吾輩ブログではボランティアガイドによるレポートをお届けしてまいります。長く続くコロナ禍のおかげで、自宅で過ごす時間が増えました。
ぽっかりと空いた時間にふと、遠くなった自分が思い出されます。
郷愁に誘われる、というのでしょうか。懐かしい日々が蘇ってきます。漱石の作品「永日小品」の「紀元節」という本当に短い文章が好きです。
読まれた方も多いかと思います。書かれているのは学校での一コマです。
私はこの作品にしっとりとした優しさを感じます。
夏目漱石「永日小品」収録『四篇』
明治43(1910)年、春陽堂小学生も学年が上がると先生にあだ名をつけたりしてからかうことを覚えます。
時には馬鹿にもします。私もそうでした。
先生のちょっとした癖をクラスメイトと笑ったりしたものです。
そんな教室の雰囲気は漱石の明治時代も、私が育った昭和時代も、
そして、おそらくは令和の時代も変わらないのではないでしょうか。
子どもはいつの時代も大人をからかうものです。
やがて、その子は大人になり、かつての自分を思い出し、若かったことを恥じる時があります。
既に漱石の年齢を越えた私ですが、顔から火が出るような思い出は多く、
また、いまだに恥の上塗りを続けています。「紀元節」の中で福田先生は、黒板に「記元節」と書いたのを
「後から三番目の机の中程にいた小供」に「紀元節」と直されたことに気付きます。
そして、「誰か記を紀と直した様だが、記と書いても好いんですよ」と言うのです。
それは、記を紀と直した小供に謙虚ということを教えたように思えます。
福田先生も謙虚であったことがわかります。知恵をひけらかすことの恥ずかしさをやんわりと諭した
(実際には福田先生は諭してはいないのでしょうが……)、
爺むさい福田先生は、その小供が大人になってもなお、
「思い出すと下等な心持がしてならない」という人間に育てたのでした。目立つことなく、それでいて、心のどこかに確かに残るもの。
福田先生を思うと、過去の恥ずかしい自分が浮かんできます。
「紀元節」はさりげなく、懐かしい日々を思い出しながら自分と向き合うことを教えてくれます。※引用文の表記は新潮文庫『文鳥・夢十夜』(昭和51年初版、平成14年改版)
に収録されている「永日小品」に従いました。(漱石山房記念館ボランティア:井上公子)
テーマ:その他 2022年03月10日



