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吾輩ブログ 一覧

  • 漱石山房記念館 壁面緑化について

    漱石山房通りから漱石山房記念館を見ると、
    向かって右手(東側)と左手(西側)に入り口があり、
    そこから漱石公園へ入っていくことができます。
    右手の入り口には漱石の銅像があり、大きな門扉もあるため、
    非常に分かりやすく、皆さんこちらから出入りすることが多いのではないでしょうか。
    しかし、左手からも漱石公園に入ることができます。
    向かって左手の入り口側の漱石山房記念館外壁では、
    つる植物を育てて壁面緑化を行っています。
    一見すると全部同じように思ってしまうかもしれませんが、
    実は2種類のつる植物が混じっています。
    2つのうち、つるがやや細いのが「ハゴロモジャスミン」(写真左側)で、
    太いのが「テイカカズラ」(写真右側)です。
    つるが互いに絡んでいる箇所もありますが、
    地面からたどっていただければ分かりやすいです。


    ハゴロモジャスミンは、「白い花びらが羽衣のように見える」ということが由来です。
    テイカカズラは、「定家葛」と書きますが、
    「定家」というのは、百人一首の撰者として有名な、
    あの藤原定家のことです。
    藤原定家が、後白河天皇の娘である式子内親王に思いを寄せ、
    内親王が亡くなった後もその墓に葛となって絡みついた……という言われから付いた名前とのことです。
    どちらも小さな花をたくさん付けます。
    高い壁が白い斑点で覆われた様子はなかなか壮観です。
    しかし、日当たりのよい建物の上部付近が良く繁茂しており、
    横を通っても人の目の高さでは意外と気づきにくいのです。
    どちらも4~5月が開花時期です。漱石山房記念館を訪れた際は、
    ぜひ漱石公園も見ていただき、お帰りの際に漱石の銅像とは逆側の出入口を通ったら、
    空を見上げていただくと、素晴らしい景色がご覧いただけるかもしれません。

    テーマ:その他    
  • 絵本で読む「草枕」 後編

    漱石山房記念館ミュージアムショップで扱う書籍の中に、
    『絵本 草枕~KUSAMAKURA~』(以下、『絵本 草枕』)という1冊があります。
    《通常展》テーマ展示 夏目漱石「草枕」の世界へ―絵本・絵巻・挿絵にみる「草枕」-
    (会期:令和4年7月7日(木)~10月2日(日))では、この本の原画も展示されます。
    『絵本 草枕』を発行するHalf wayの小須田祐二さんにお話を伺いました。

    前編から続く)
    ―小須田さんは「草枕」の舞台である熊本県玉名市にも足を運んでいらっしゃるそうですね。
    (小須田)最初は2016年2月に、「草枕」を絵本化するプロジェクトを始めるにあたって
    物語の舞台を訪問してみようと思い、「草枕交流館」へ向かいました。
    熊本市からバスで行ったのですが、そこで夏目漱石が旅した道が「草枕の道」として現在も歩けることを知り、
    それなら歩いてみようと思って2時間くらいかけて歩きました。
    峠を越えると、目の前に有明海が広がって、海の先にそびえる雲仙岳が見えました。
    小天温泉の方へ峠を下る途中には一面の蜜柑畑があり、漱石が滞在した「前田家別邸」に続きます。
    「草枕」の舞台になった美しい風景を体感して「漱石にとっても桃源郷みたいな場所だったのかな」と思いました。
    それ以来、玉名市を何度も訪問し、「前田家別邸」に隣接する旅館「那古井館」にも宿泊するなど、親しんでいます。

    小天温泉の蜜柑畑から雲仙岳を臨む
    (撮影:小須田祐二)

    ―『絵本 草枕』は電子書籍にもなっていますが、そのBGMも「草枕の道」にゆかりがあるそうですね。
    (小須田)『絵本 草枕』の電子書籍は現在、アプリから無料でご覧いただけます。
    ※電子書籍の詳細はこちらをクリック
    語りは熊本出身で元アナウンサーのKINUKOさん、
    音楽はNHK「ラジオ深夜便」にも出演する音楽家の守時タツミさんです。
    守時さんの音楽には小鳥の声や雨の音が入っていますが、
    それらは守時さんが「草枕の道」を実際に歩いて収録した音です。

    「草枕の道」峠の茶屋にて 小須田祐二さん

    ―最後に、7月7日からの「夏目漱石「草枕」の世界へ―絵本・絵巻・挿絵にみる「草枕」―」展に向けて、
    小須田さんからメッセージをいただければと思います。
    (小須田)私の手元にある新潮文庫の『草枕』は、本文が約170ページに対して、注釈が約30ページもついています。
    それだけ「草枕」には漱石の教養・知的背景が詰まっている、深みのある作品だということなのではないでしょうか。
    現代の私たちが読むには少しハードルの高い気もする「草枕」ですが、
    今回の展示は親しみやすいものになるのではと期待しています。
    また、漱石作品で「坊っちゃん」の舞台が「愛媛・松山の道後温泉」というのはよく知られていますが、
    それに比べて「草枕」の舞台が「熊本・玉名の小天温泉」というのはピンとこない方が多いような気がします。
    今回の展示を通して「草枕」の舞台についても知っていただければ嬉しいです。

    テーマ:漱石について    
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