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吾輩ブログ 一覧

  • 漱石の長襦袢

    漱石山房記念館では現在、令和4年6月12日(日)までの期間限定で、
    漱石の遺品の「長襦袢」と「硯」を特別公開しています。
    この長襦袢は平成29(2017)年の当館開館にあたって、
    半藤末利子名誉館長から寄贈されたものです。

    漱石の長襦袢


    半藤名誉館長は夏目漱石の門下生で作家の松岡譲と、
    漱石の長女・筆子の四女で、漱石の孫にあたります。
    『夏目家の糠みそ』、『漱石夫人は占い好き』(ともにPHP研究所)、『夏目家の福猫』(新潮社)など、
    夏目家に関するエッセイを多く執筆されており、
    この長襦袢の来歴については、著作『漱石の長襦袢』(文藝春秋)の中に詳しく記されています。
    『漱石の長襦袢』は当館ブックカフェや図書室にも配架されていますので、
    展示をご覧になった後に、ぜひお読みいただければと思います。

    昨年出版された著作『硝子戸のうちそと』(講談社)には、
    「漱石山房記念館」という一章が収録されており、
    当館の「整備検討会」や「完成を祝う会」の事なども記されています。
    また、5月24日放映のテレビ朝日『徹子の部屋』で語られた、
    夏目漱石のエピソードは「一族の周辺」の章に、
    夫の半藤一利さんとのエピソードは「夫を送る」の章に綴られています。
    『硝子戸のうちそと』も当館図書室でお読みいただけるほか、
    ミュージアムショップでも販売しています。

    半藤名誉館長の夏目家に関する著作はどれも、
    漱石の孫ならではの貴重なエピソードが描かれています。
    番組をご覧になってご興味を持たれた方は、お手に取ってみてはいかがでしょうか。

    テーマ:漱石について    
  • 漱石の言葉

    当館の2階通路展示室では、漱石の作品や、門下生・友人に宛てた手紙の中から、
    漱石の言葉をご紹介しています。
    小説の登場人物に託した漱石の想い、門下生や友人に示した漱石の人生観など、
    漱石がのこした言葉をご覧いただけます。

    今回はその中からいくつかご紹介したいと思います。

    僕は常に考えている。「純粋な感情程美しいものはない。美しいもの程強いものはない」と。
    (「彼岸過迄」明治45年)
    熊本より東京は広い。東京より日本は広い。・・・・・日本より頭の中の方が広いでしょう。
    (「三四郎」明治41年)
    智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。                         (「草枕」明治39年)
    余は吾(わが)文を以て百代の後に伝えんと欲するの野心家なり。
    (森田草平あての手紙 明治39年10月22日)
    『定本 漱石全集』(岩波書店)より

    一度は耳にした言葉もあったでしょうか。
    漱石は1867年に生まれ、1916年に生涯を閉じました。
    今から百年以上前の世を生きていた訳ですが、私たちにも共感できる言葉が多く、
    親近感を覚えると同時に、未来を見通していたかのような言葉にどきりとさせられたりもします。
    来館者アンケートでも、この展示が印象深かった、
    漱石の言葉が胸に刺さった等の感想を数多くいただきます。

    また、当館ミュージアムショップで販売している「漱石の言葉 日めくりカレンダー」
    には1日から31日まで毎日一つずつの漱石の言葉が入っています。
    今回ご紹介した以外にもたくさんの言葉に巡り合うことができます。
    ぜひ漱石山房記念館で、「漱石の言葉」に出会い、気に入った言葉を胸にお持ち帰りください。
    商品の詳細はミュージアムショップのページをご覧ください。

    テーマ:漱石について    
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