新宿区立新宿歴史博物館の開館30周年を記念して、
平成31年3月に『コミック新宿史 新宿ジオラマ奇譚』
編集・発行/公益財団法人新宿未来創造財団 新宿区立新宿歴史博物館
コミック製作・デザイン/井口たくみ
が 発行されました。
新宿歴史博物館の職員が描いた、ちょっと不思議なコミックです。
主人公の未来創丸は伊賀忍者の子孫で、架空の博物館の学芸員。
彼は自分が作った新宿史のジオラマに迷い込み、
この街の文化・風俗と新宿人たちの心意気を見つめます。
コミック製作者によると、製作期間は企画も含めて約2年間。
新宿歴史博物館が発行するコミックなので、主人公の職業を「学芸員」に、
ミュージアムの場所を新宿歴史博物館と同じ「四谷三栄町」にしたのだそうです。
「伊賀忍者の子孫」という主人公のバックボーンも、
四谷三栄町がかつて北伊賀町と呼ばれていたことからの発想で、
歴史的な学習要素も踏まえながら、フィクションとしても面白い読み物にするため、
工夫を重ねたとのこと。
「Model5 漱石先生ごきげんよう」の章には、
夏目漱石をはじめ、木曜会に集った人々の顔が描かれているほか、
漱石山房記念館のどこかで見かけたような黒猫の姿も……??
各章の終わりには新宿歴史博物館学芸員による解説が掲載され、
読み応えたっぷりの一冊となっています。
「内藤新宿年代記」②の解説は「石綿猿肘丸」が担当していますが、
こちらはとある学芸員の狂名(狂歌作者として用いる号)だとか。
主人公は現代からタイムスリップして1960年代から縄文時代へと歴史を遡り、
ラストシーンでは新元号への改元前夜、平成最後の夜が描かれています。
まさに新元号への改元をひかえた今、手に取ってみてはいかがでしょうか?
新宿歴史博物館、漱石山房記念館のミュージアムショップのほか、
林芙美子記念館、佐伯祐三アトリエ記念館、中村彝アトリエ記念館、
新宿コズミックセンター、新宿文化センターで販売しています。
『コミック新宿史 新宿ジオラマ奇譚』
編集・発行:公益財団法人新宿未来創造財団 新宿区立新宿歴史博物館
コミック製作・デザイン:井口たくみ
発行年月日:2019年3月30日
頒布価格:1000円(メンバーズ倶楽部価格 800円)
重さ:780g A4判 233頁