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ミュージアムショップに新商品が仲間入りしました(後編)

漱石山房記念館のミュージアムショップでは、
展示図録や夏目漱石にまつわるミュージアムグッズ、漱石作品の書籍などを取り扱っています。

特に当館のみで販売しているオリジナルグッズは、来館者の皆さまに喜んでいただけるような商品を、
少しずつ増やしていけるように力を入れて取り組んでいます。
こちらのブログの前編ではこの秋の新商品『吾輩ハ猫デアル』の絵はがきをご紹介しました。
後編では同じく『吾輩ハ猫デアル』の表紙をモチーフにした新商品、和紙ステッカーをご紹介します。

『吾輩ハ猫デアル』の初版本の装丁について、夏目漱石はどのように考えていたのでしょうか?
明治38(1905)年8月9日に漱石が『吾輩ハ猫デアル』の装丁を手掛けた橋口五葉宛てに送った葉書には
「御依頼の表紙の義は矢張り玉子色のとりの子紙の厚きものに朱と金にて何か御工夫願度」とあります。
「御依頼の表紙」とは『吾輩ハ猫デアル』上編の表紙のことで、
橋口五葉はこの漱石の依頼のとおりに朱色と金色を用いた装丁で表紙を飾りました。

さらに明治39(1906)年11月11日の橋口五葉宛ての書簡で漱石は中編の表紙について
「今度の表紙の模様は上巻のより上出来と思ひます。あの左右にある朱字は無難に出来て古い雅味がある」
と書いています。どうやら上編に比べて中編のデザインの方がより漱石は気に入ったようです。

この表紙のデザインをステッカーにするにあたって、
当館ではやはり漱石がこだわった部分を再現できればと考えました。
そこで「とりのこ紙」をイメージした和紙素材のステッカー用シートに、
「朱」色と「金」の箔押しで上・中・下編の表紙のモチーフを印刷し、
それぞれ名刺ほどの大きさのステッカーが出来上がりました。
3枚セットで200円(税込み)のお手頃価格で好評販売中です。

さらに、11月27日(日)まで開催している「漱石×芥川スタンプラリー」では
田端文士村記念館と漱石山房記念館を巡ってスタンプを集めた方全員に、
この3種類の中からお好きな柄の和紙ステッカー1枚をプレゼントしています。
無料でご参加いただけるスタンプラリーですので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※引用文の表記は岩波書店『定本漱石全集 第二十二巻』(2019年)に従いました。

テーマ:その他    2022年10月31日
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