当館の2階通路展示室では、漱石の作品や、門下生・友人に宛てた手紙の中から、
漱石の言葉をご紹介しています。
小説の登場人物に託した漱石の想い、門下生や友人に示した漱石の人生観など、
漱石がのこした言葉をご覧いただけます。
今回はその中からいくつかご紹介したいと思います。
僕は常に考えている。「純粋な感情程美しいものはない。美しいもの程強いものはない」と。
(「彼岸過迄」明治45年)
熊本より東京は広い。東京より日本は広い。・・・・・日本より頭の中の方が広いでしょう。
(「三四郎」明治41年)
智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。 (「草枕」明治39年)
余は吾(わが)文を以て百代の後に伝えんと欲するの野心家なり。
(森田草平あての手紙 明治39年10月22日)
『定本 漱石全集』(岩波書店)より
一度は耳にした言葉もあったでしょうか。
漱石は1867年に生まれ、1916年に生涯を閉じました。
今から百年以上前の世を生きていた訳ですが、私たちにも共感できる言葉が多く、
親近感を覚えると同時に、未来を見通していたかのような言葉にどきりとさせられたりもします。
来館者アンケートでも、この展示が印象深かった、
漱石の言葉が胸に刺さった等の感想を数多くいただきます。
また、当館ミュージアムショップで販売している「漱石の言葉 日めくりカレンダー」
には1日から31日まで毎日一つずつの漱石の言葉が入っています。
今回ご紹介した以外にもたくさんの言葉に巡り合うことができます。
ぜひ漱石山房記念館で、「漱石の言葉」に出会い、気に入った言葉を胸にお持ち帰りください。
商品の詳細はミュージアムショップのページをご覧ください。